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大津地方裁判所 昭和52年(わ)253号 判決 1978年2月24日

一、本店の所在地

滋賀県高島郡新旭町大字藁園一四九八番地

法人の名称

紺藤織物株式会社

代表者代表取締役

山川隆吉

二、本籍及び住居

滋賀県高島郡新旭町大字藁園一四九八番地

会社役員

山川隆吉

昭和四年八月一一日生

出席検察官

小見山道有

主文

被告人紺藤織物株式会社を罰金三、八〇〇万円に、被告人山川隆吉を懲役一年に処する。

被告人山川に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人紺藤織物株式会社は、滋賀県高島郡新旭町大字藁園一四九八番地に本店を置き、各種繊維の加工及び製造販売等を目的とする株式会社であり、被告人山川隆吉は同会社の代表取締役として同会社の業務全般を統轄しているものであるが、被告人山川は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

第一  昭和四八年九月一日から同四九年八月三一日までの事業年度における同会社の所得金額が三億二、七八一万一、六八一円で、これに対する法人税額が一億二、八八九万九〇〇円であるにもかかわらず、公表経理上売上の一部を除外し、あるいは架空仕入れを計上する等の不正の行為により所得を秘匿したうえ、昭和四九年一〇月三一日、同郡今津町今津住吉一丁目五番一〇号所在の所轄今津税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が九、八二六万五、九三一円で、これに対する法人税額が三、七〇八万七、五〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて不正の行為により右事業年度の法人税額九、一八〇万三、四〇〇円を免れ

第二  昭和四九年九月一日から同五〇年八月三一日までの事業年度における同会社の所得金額が一億六、一八四万四、七一八円で、これに対する法人税額が六、二六五万三、九〇〇円であるにもかかわらず、前同様の不正の行為により所得を秘匿したうえ、昭和五〇年一〇月三一日前記今津税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が五、八九七万六、三〇三円で、これに対する法人税額が二、一五一万七、五〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて不正の行為により右事業年度の法人税額四、一一三万六、四〇〇円を免れ

第三  昭和五〇年九月一日から同五一年八月三一日までの事業年度における同会社の所得金額が一億九、五三九万〇一六九円で、これに対する法人税額が七、五五九万一、五〇〇円であるにもかかわらず、前同様の不正行為により所得を秘匿したうえ、昭和五一年一一月一日、前記今津税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が四、九四〇万三、九八七円で、これに対する法人税額が一、七二一万一、八〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて不正の行為により右事業年度の法人税額五、八三七万九、七〇〇円を免れた

ものである。

(証拠の標目)

一  登記官作成の商業登記簿謄本

一  大蔵事務官作成の各法人税確定申告書謄本(三通)

一  大蔵事務官に対する横井川富一(六通)、小西正江、上田正雄、中村了三、石井最、寺田文夫、時岡秀夫の各質問てん末書

一  秋山保司作成の供述書及び確認書

一  横井川富一作成の各確認書(二通)

一  大蔵事務官作成の各査察官調査書(八通)

一  被告人の大蔵事務官に対する各質問てん末書(七通)

一  被告人の当公判廷における供述

(法令の適用)

一罰条 判示各所為につき、法人税法一五九条一項、二項、一六四条一項

一刑の選択(被告人山川につき) 判示各罪につき、いずれも所定刑中懲役刑を選択

一併合罪の加重 刑法四五条前段、被告人会社に対し、同法四八条二項、被告人山川に対し、同法四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第一の罪の刑に法定の加重)

一被告人山川に対する刑の執行猶予 同法二五条一項

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 坂詰幸次郎)

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